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子どもはSNSにどう向き合うべき? 無料で使えるネットの教習所「ぐーぱ」に注目!

2013年6月10日

昨今は携帯電話だけでなく、スマホを携帯する子どもも増えています。

PSPなど情報端末が多様化し、LINEなどのコミュニケーションツールも急速に普及していることから、ネットの世界と子どもの距離は、ますます近づいてきました。

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生まれた瞬間から、情報インフラと端末がそばにあるデジタルネイティブの子どもたち。

教育現場ではこれから、どのようにして彼らに情報モラル教育を行い、「ネットの世界で生きる力」を身につけさせていくべきなのでしょうか。


■実際にSNSを体験・活用できる、安心安全な"教習所"

文科省が定める「情報モラル教育」の推進にあたり、現在すでに、いろいろな指導用教材や擬似体験教材が利用されています。

ですが、そのほとんどは「こんなことをすると危険だ」という"べからず集"。「身を守るためにこのようなことはすべきでない」という事例の研究が中心で、もうすこし発展したとしても、掲示板システムを擬似的に利用させてみる、といった内容にとどまっています。

これでは、子どもたちへ「ネットの世界の怖さ」だけが伝わってしまい、ネットがもたらすメリットや、ネットを賢く使っていくための判断力や、情報社会を生き抜いていく力はなかなか育ちません。

だからといって、子どもたちに、大人が参加している実際のネット上のコミュニティを利用させてあげることもできません。

世界標準のFacebookに登録できるのは13歳以上、mixiに登録できるのは18歳以上。リテラシーの低い子どもが独断でネットのコミュニティを利用するのは、まだまだ危険がつきまとうため、青少年保護の観点からも多くの制限がかけられています。

そこで今回取材した「ぐーぱ」が、誕生したというわけです。

SNS「ぐーぱ」のトップ画面。学校やクラスごとに割り振られるログインID、パスワードを使ってアクセスし、クラス内の仲間・校内の生徒・全国の小学校とつながることができる、本格的なSNSです。

「ぐーぱ」は、日本全国の小学校の先生と子どもたち限定のコミュニティサイト(SNS)。

小学校の学級や学校内のパソコンクラブなどから利用することができ、安心安全が確保されている、いわば「ネット世界の教習所」です。

■全国12校の公立校で導入。4年生~6年生の利用が主。

「ぐーぱ」の利用は無料。学校は、特別な予算を確保する必要がなく、SNSについての実地学習ができるようになります。

※IDを付与する前に実在する学校かどうかを必ず確認するため、利用開始までに数日間必要。

「子どもたちの活動と情報モラル教育の推進に賛同いただける企業から協賛や寄付をつのって運営しているため、学校の先生や子どもたちには無料でご利用いただいています」(「ぐーぱ」を運営する一般社団法人こどもコミュニティ協議会の大笹いづみさん)

昨年度参加した学校は、山形県天童市長岡小学校をはじめ、全国津々浦々12校の公立小学校。退職した元校長先生や現役の小学校教諭、大学の教員なども、ゲストティーチャーやアドバイザーとして参加しています。

「ぐーぱ」の活用シーンは、さまざま。

学級で休み時間などに自由に使っているところもあれば、クラブ活動で週1回ほど利用していたり、学校内の複数学年・複数学級でコミュニケーションをしている学校、4年生の社会科で他の学校との交流活動として利用しているところなどがあります。


ユニークなのは、学級閉鎖などの時期に、先生と生徒のつながりづくりとして利用されたケース。


 

学級のみんなで育てていたサケの卵の孵化の様子を、クラス担任が「ぐーぱ」にアップロードし、クラスの生徒みんなで共有したという学校もありました。

■レスやコメントがつくのが面白い!

「ぐーぱ」を利用中の子どもたちが口をそろえて言うのは「コメントがつくとうれしい!」「反応をもらえるとうれしい!」ということ。

SNSの楽しさはやっぱり「会話」にあり!

自分のメッセージが伝わったときの感動やよろこびは、大人も子どもも同じなんですね。

「ネット社会では、情報の向こう側に必ず人がいます。ネットを活用するというのは、調べ学習をすることだけでなく、人と人の関係づくりをすることだということを "ぐーぱ"を通して学んでもらえると嬉しいです」(大笹さん)。

投稿の公開範囲は自由に設定可能。生徒たちは「ぐーぱ」への書き込みを通じて、「学級のみんなだけに言うこと」や「学校内だけで共有する話題」「学外へも共有する話題」といったネット上のプライバシーの感覚を、自然に身につけていきます。

また、どんな風に書けば相手に正しく伝わるか、どんな風に伝えると相手を不快にさせないのか、といったコミュニケーション力もより豊かにすることができます。

「読んでくれる相手のことを考えよう」という、ネット上のルールで最も大切なことを学べる「ぐーぱ」。写真右側が、運営者の大笹さん。全国の学校へ出張授業などもしています。

「ぐーぱ」内には、「私たちの給食」や「読書レビュー」「わくわく朝英語」などさまざまなプロジェクトがあり、全国の学校間で共通のテーマを楽しむこともできます。

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少し前まではプロフサイト、最近ではLINEやTwitter、携帯ゲームなど、子どもを取り巻くSNS環境は日々変化しています。

これらの環境から子どもたちを切り離すのは大人の使命でもありますが、一方で、完全に隠してしまうのはもはや難しい時代になってきました。

どんなにネット世界が進化しても、惑わされず自分を持ち続けられるネットリテラシーを身につけるために、"教習所"として「ぐーぱ」をうまく活用したいものですね。

(飯田陽子)

【取材協力】
一般社団法人 こどもコミュニティサイト協議会
http://c-coms.or.jp/

こどもコミュニティサイト「ぐーぱ」
https://www.goo-pa.jp/