小学館ファミリーネット 小学一年生

ファミリーネットニュース

子育て女性の新しい資格「産後ケアリスト」って知ってる?

2013年12月13日

共働き家庭が増えてきた昨今、「働き方」の議論が近年になく活発に行われています。

その背景には、よく聞かれる「小1の壁」「小4ショック」問題があります。

これは、手厚い保育を受けられる保育園・幼稚園時代を経て、小学生になると、会社勤めを続けられなくなるママ(パパ)が増えてしまう現象のこと。

小学校に入ると、児童の数に対して学童保育施設が不足していたり、学童保育施設の多くは延長保育がないなどで、預け先に困ることが増えてきます。

また、小学校4年生以上はそもそも学童保育の対象外。職場でも「時短勤務」などの特別措置がなくなるといった理由から、それまでの働き方を維持できなくなってしまうのです。

こうした流れを受けて、新たに資格を取ったり、在宅勤務のできる職種に目を向けたり、自ら開業することを考え始めている女性も増えています。

子育てをメインにしながらも、自分らしく働き続ける――。そのために、自分で仕事をコントロールできるよう開業(独立)の道を選んだり、身近な分野で新たに自分のスペシャリティを身につけるという女性が増えているんですね。

■どんな分野で開業するのが望ましい?

総務省の「女性起業家に関するアンケート調査」によると、女性が起業する場合の事業規模は、従業員を雇用せずに起業している「一人会社」が全体の9割に! 収入は、全体の7割が「個人所得100万円未満」と、男性起業家に比べたらかなり小規模な内容になっています。

しかし、日本政策金融公庫の「2009年度新規開業実態調査」によると、起業家における女性の割合は15%。ここ20年で12%から15%への微増という推移です。

業種は個人向けの身近なサービス等での起業が多く、特に美容・医療・福祉の分野での起業の割合が男性よりも高くなっているという特徴があります。

ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を維持するためには、事業規模は小さくても、自分の経験を生かして起業するという道は現実的な選択といえそうです。

■子育て経験を活かせる「産後ケアリスト」に注目!

私にできることは何だろう、これからどんな風に自分のキャリアをつくっていけばいいんだろう...。そんな風に悩んでいるママに、2014年2月19日から始まる「産後ケアリスト」という資格をご紹介しましょう。

これは、日本産後ケア協会が主催する認定講座。赤ちゃんを産んだばかりのお母さんのケアや最新の子育て知識について学び、ママならだれもが経験してきた「産後のいちばんつらい時期」をサポートするスキルを身につけるものです。

実は「産後ケア」は、いまとても注目されている分野! 

アベノミクスの政策の中にも「産後ケア」についての記述は多くみられ、2013年11月には、厚生労働省が、妊婦や産後間もない女性を支援する取り組みの強化を決定しています。

しかも、2014年度には全国40市町村でモデル事業を始める計画も。将来的には全国で「産後ケア」が定着するよう、産後ケア施設の設立を中心に、大規模な展開をする方針も発表されています。

「数年前、女優の小雪さんが韓国で利用したことで大きな話題となった「産後ケア施設」ですが、厚労省が具体的な方針を打ち出したことによって、同様のものが日本にたくさんできる可能性が高まったといえます。

韓国ではセレブでなくごく一般的な家庭の女性でも、出産後は病院を退院したら産後ケア施設へ入所するというのがすでに一つの流れになっています。

日本では里帰り出産という文化がありますが、昨今は親や産婦自身の高齢化で里帰りをする人が少なくなっています。その分、産後うつや育児不安などに悩まされる人も増えていることから、産後ケア施設が増え、韓国と同じようなムーブメントが起こる可能性はかなり高いと思います」(日本産後ケア協会代表・大久保ともみさん)

産後ケアリストの認定講座は、[1日集中コース]の5時間30分か、[2日間ゆったりコース]の6時間30分。看護師で助産師の大坪三保子さんを講師に、産前産後の女性の体の変化と仕組みや、産後ママの悩みについて実践的に学んでいくそうです。

1213sango01.jpg

講師の大坪三保子さん。たらちね助産院院長、看護師・助産師。
世田谷子育て支援グループアミーゴ顧問。
主な著書に「はじめてのベビーマッサージ」保健同人社、
「Happyマタニティ・ヨガ 安産のための体と心をつくる」高橋書店など

■すでにもっている資格や技能を、地域や社会に還元しよう!

産後ケアリストの認定講座は、基本的にどんな人でも受けられます。ただし、資格を取得して協会に登録したとしても、産後ケア関連施設に就職したり、個人事業主として独立するか否かは自分自身。資格をどのように今後に役立てるかは、その人次第となります。

「そこで日本産後ケア協会では、こんな方におすすめしたいという意味から、一定の受験資格を設けています。まず、女性に密着した各専門分野の資格をすでにお持ちの方。または、各専門分野の知識があり、すでにお仕事や活動をされている方が受講されるのが望ましいですね」(大久保さん)

(資格分野の例)
こころ系:臨床心理士、児童心理カウンセラー、心理カウンセラー、メンタルヘルス
運動系:骨盤ケア、ヨガ、ピラティス、スポーツインストラクター
健康美容系:漢方、薬膳、野菜ソムリエ、エステティシャン
癒し系:整体師、アロマテラピー、リフレクソロジー、フットマッサージ、ハンドマッサージ、カラーセラピスト
生活系:保育士、整理収納アドバイザー、インテリアコーディネーター、カラーアナリスト、食育、料理研究家、キャリアコンサルタント、ファイナンシャルプランナー など

2月の認定試験に向けて、全国からの問い合わせも多数舞い込んでいるという「産後ケアリスト」資格。特に、栄養士の資格を持つ人や、幼稚園教諭、保育士、ベビーヨガ講師など、生活や子育てに密着した仕事をしている人からの問い合わせが増えているそうです。

産後のいちばん不安定な時期にしっかりと養生できると、女性は育児に前向きになれるといわれています。「産後ケア」は、産後うつや虐待、育児放棄などの社会問題の解決策としても、いま非常に注目されている分野なのですね。

出産や子育てを経験したからこそできる、社会貢献。その第一歩として、「産後ケアリスト」に注目してみませんか?

【飯田陽子】

【取材協力】
一般社団法人 日本産後ケア協会
http://sango-care.jp

最近のニュース