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発明で日本をもっと元気に! 主婦にも小学生にも「発明のすすめ」

2014年12月26日

日常の生活や家事をする中で、ふとした瞬間「○○が○○だったら便利なのに」と思うことってありませんか?

「必要は発明の母」という言葉もあるように、「町の発明家は自分自身、または家族、身近な人の『困った』という体験からアイデアをひらめかせています」と言うのは主婦発明家の松本奈緒美さん。

松本さんは東京・新宿にある株式会社発明ラボックスの代表取締役として、このような町の発明家のアイデアと企業のニーズを結びつける活動に取り組んでいます。発明家向け講座を開催するほか、「アイデアご意見隊」という会員制度をつくり、会員に月1回、発明に役立つメルマガを発信中です(登録は無料)。

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主婦発明家・発明ラボックス代表取締役 松本奈緒美さん

そもそも発明ラボックス設立のきっかけは、商品化までの道のりが険しい「個人のすばらしいアイデア」と「売れる商品がなかなか見つからないという企業の悩み」を結びつけたいという思いでした。

自身のアイデアによるお掃除グッズ「おそうじペン先すーぴぃ」が商品化・市販されたエピソードも含め、松本さんに発明の苦労や楽しさについてお聞きしました。

「『おそうじペン先すーぴぃ』の着想を得たのは掃除中のことです。掃除が苦手な私が自分のために、こんなのあったらいいなという気持ちでした。

掃除機の隙間用ノズルは、ほとんどがプラスチックの固い樹脂製ですが、家具と床などの隙間に入ってごみを吸うだけでなく、拭き掃除をする機能もあればいいなと思ったんです。掃除機の先にかぶせて取りつけるノズル状の試作品を使い捨てを想定した紙で作り、メーカー70社に提案書を送りました。

 2〜3社でアイデアを取り合いになるのでは......♪ と妄想が広がりましたが、結果はすべて不採用。すごいものを発明したと思っていただけに毎日泣いていましたね。

 でも、よくよく見てみると、お断りの返事の中にもきちんと不採用の理由が書いてあるものがありました。ある一社は『紙で使い捨てというアイデアは、これからの環境問題を考えると難しく、見直しを......』といったことを書いていました。

 そこで、そうだ、洗えるノズルにしよう! と思いついたのです。今度は布で、面ファスナーのベルトで掃除機の外側につけられるものを試作。『洗えるノズル』という、今までにないものができたという確信がありました。

 そして返事をくださったメーカーさんに再度提案書を出したところ、『興味があるので、試作品を送ってください』と連絡がありました」(松本さん) 

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 松本さんの発明品『おそうじペン先すーぴぃ』は好評発売中!

しかし、なかなか難しいもので、その後すぐに商品化とはならず......。形になったのは、その後5年間ものやりとりの後のことでした。この例に限らず、発明がすぐに商品化されにくい理由について松本さんはこう話します。

「ほとんどのメーカーさんは、商品開発にかける予算が1年間でどのくらいかが決まっているなかで商品の企画・開発をしています。その計画の途中で新たに商品を提案したとしても、タイミングが合わず商品化しにくい、ということが5年間のやりとりでわかりました。

そこで、あらかじめ『どういうジャンルの商品のアイデアを募集』しているか、あらかじめ企業からいただければ、商品化も早いだろうと思ったのです。そこで、企業側から「プロジェクト」を出してもらい、それに会員が「アイデア」で答えるというシステム「アイデアご意見隊」を始めました。

発明アイデアを投稿するサイトはほかにもありますが、自分のブログであってもアイデアを事前に公開してしまうと、のちのち特許が取れなくなるおそれがあります。

個人のアイデアを大事にしたいという思いから、自分のアイデアが投稿者以外の人から見られることのない『クローズドな』システムにしました。そのうえで、会員のアイデアに対しては、当社からより商品化に近づくためのアドバイスなどをしています。 

私自身が発明家として体験してきたことが生かされているシステムでもあり、このようなシステムがあることで、一般の人のアイデアがもっと商品化につながりやすくなるのではと思っています」(松本さん)

松本さんによると、お金・技術がなくても、手近にある材料と図工・家庭科並みの技術力で十分発明はできるそうです。ということは、子どもでももちろんできます。

「毎年開催されている、小・中学生の発明を競うコンテスト『全国ジュニア発明展』で審査員を務めているのですが、見ているとおもしろいですよ。『おばあちゃんが玄関で靴を履くときに困っていたから、このような杖を作った......』というように、子どもは家族の生活をよく観察しています。

このように誰かのために考え、誰かが喜んでくれるのが発明の醍醐味だと思います。発明を通して家族とコミュニケーションもとれるし、『形状がああだこうだ』と考えることで観察力や思考力も育ちます。また、いったん提案したアイデアがダメであっても改良を加えるなど、その人なりにがんばってアイデアを育て続けていくこともできます。

発明による知財は日本の重要な産業の一部ですし、これから先も変わらないでしょう。「発明」を学校の教科に入れてほしいくらいですね(笑)。算数や理科は、ただの勉強だと楽しくないかもしれませんが、その先に何かものを作るという目的があれば、もっと楽しめるのではないでしょうか」と松本さん。

お話を聞くうちに「難しいのでは?」という発明への思い込みがかなり変わりました。コツを知れば難しくないそうですので、ぜひ「発明ラボックス」のサイトをのぞいてみてください。随時、企業からの新しい「プロジェクト」が更新される予定です。

(村重真紀)

発明ラボックス 

 

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