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最近、電気代、高くない? その理由は「再エネ賦課金」

2015年8月 7日

猛暑続きで連日エアコンはフル稼働。熱中症は怖いけど電気料金の請求も怖い!というのが、家計を守る主婦の本音です。

2015年7月14日(火)、資源エネルギー庁は「エネルギー白書2015」を公表しました。政府が前年度に講じたエネルギー施策を報告するのが「エネルギー白書」ですが、今年の「エネルギー白書」では、電気料金に関する課題が取りあげられています。

■電気料金、なんか高い、ですよね?

2010年以降、上昇し続けている電気料金。2014年度には、電気の平均単価は25.51円/kWhとなり、東日本大震災が起こった2010年度からの値上がり幅は25.2%となりました。25%も上がっていれば、さすがに実感として「高い」と感じますよね。

また、一般的な電気料金の算出には、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める「1kWh当たりの目安単価」を用いますが、この金額も、「22円/kWh」から「27円/kWh」に変更。その上昇幅はざっと20%以上。うーむ、た、高い・・・。

そこで、生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区)は、主婦500人に対して「電気料金に関する意識・実態調査」を行いました。20代から50代の各世代125名ずつへ、電気料金について知っていることや意見を聞いています。

[調査概要]
調査名 : 電気料金に関する意識・実態調査
調査対象 : 20歳~59歳の主婦500名 ※年代別に均等割付(20代、30代、40代、50代で各125名)
      ⇒ 既婚で配偶者と同居している人
調査期間 : 2015年7月10日(金)~2015年7月14日(火)
調査方法 : インターネット調査
調査実施機関 : 楽天リサーチ株式会社

■値上がりの理由は「火力発電による発電コストの増大」と「再エネ賦課金」

まずは、「電気代が上がった」と感じている人がどれいくらいいるか。ざっと3分の2の主婦が「上がった」と感じていました。やっぱり~。ですよね~。高いよね~。

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電気代があがっている理由については「家庭の電気の使用量が増えているから」と答えた人が72%、「電気料金自体が上がっているから」と答えた人が59%。

しかし、「なぜ電気料金自体があがっているのか」の理由まで正しく答えられた人は、ぐぐっと下がって少数派に。「電気料金が高いとは感じているけど、なんで高くなったのかは分からない」というのが、多くの主婦の認識のようです。

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「エネルギー白書2015」によると、電気料金の値上げの大きな要因として「火力発電所の稼働率上昇に伴う火力燃料費の増大」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の拡大」の2つがあげられています。

「再エネ賦課金」は、再生可能エネルギーの普及を目指して実施されている制度。2012年の7月からスタートし、今年で4年目を迎えます。

これ、平たく言うと、各家庭や工場などで発電した「再生可能エネルギー」を電力会社が買い取るためのコストのこと。太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電力を買い取るためのお金を、電気の使用者、つまり消費者が負担することになったため、通常の電気料金に加えて「再エネ割賦金」という別のお金が、月々の電気料金に上乗せされているのです。

■どんどん値上がりしている「再エネ割賦金」

再エネ賦課金の負担額は毎年度見直されますが、少なくとも今後20年間は下がることはありません。消費者の負担は今後も増していきます。

例えば、今年2015年の家庭で使用する電力に課された再エネ賦課金は、「1.58円/kWh」です。これは2014年の0.75円/kWhの2倍以上。東京電力の試算によれば、一般家庭での負担は"1か月間当たり458円"にのぼるとされています。

年間にすると、5000円以上。なかなかの大きな負担です。

それなのに、「再エネ割賦金」の存在自体、あまりにも知られていません。アンケートでの認知度も、3割に届きませんでした。

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■高すぎる「再エネ割賦金」

そして、アンケートでは8割以上が「高すぎる」と回答した「再エネ割賦金」。

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さらに詳しく回答を見ていくと「『再エネ賦課金』による電気料金の値上げは仕方がないものだと思う」という人は4割で、過半数の人が、再生可能エネルギーの普及拡大のためとはいえ、そもそも電気料金の値上げ自体がNGだと感じていることが分かりました。

再エネ賦課金についての資源エネルギー庁の試算によると、「これまでに認定された太陽光発電設備に限っても、その全てが発電を開始したとすれば、再エネ賦課金は843円になる」とされています。現在が458円ですから、その倍近くにまであがる可能性があるわけです。

これに対して、「再生可能エネルギーの利用率の向上のために許容できる電気料金の値上げ幅」を聞いたところ、「1か月間当たりに800円以上でも許容できる」という人は僅かに7%。大多数が許容できないと考えていることも明らかになっています。

■これで本当に再生可能エネルギーは促進されるの???

再エネ割賦金について、資源エネルギー庁のサイトには

『再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度です。電力会社が買い取る費用を電気をご利用の皆様から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。この制度により、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進みます』

と、書かれています。

しかし、実際のところ、消費者の負担は増すばかり。

再生可能エネルギーが普及するほど、買い取りコストは上がって使用者の負担は増える一方なの・・・? 再生可能エネルギーの普及によって火力発電のコストが減れば、その分値下げもありえるの・・・?  なんだか狐につままれたような、モヤモヤとしてすっきりしない気分です。

今後へ向け、まだまだ課題が山積みのエネルギー問題。生活者一人ひとりが十分に仕組みを理解すると同時に、しっかりと説明を求めていく姿勢も必要ですね。

(飯田陽子)

【情報提供】
トレンド総研「電気料金に関する意識・実態調査」に関するレポート
http://www.trendsoken.com/report/economy/1865/

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